ストレス、鬱、不安障害の症状と違いを知りましょう

ストレス、鬱、不安障害は人が感じる精神的なダメージです。しっかりとした対処法を見極めるため、それぞれの症状を知ることが大切です。
ストレス、鬱、不安障害の症状と違いを知りましょう

最後の更新: 22 10月, 2018

体の不調を表すストレス、鬱、不安障害ーこの言葉を聞いたことがないという人はいないでしょう。この3つは一緒に症状が出たり、別々に出たりします。まずは、ストレス、鬱、不安障害のそれぞれの症状を知ることが大切です。

いつストレス、鬱、不安障害が体に影響するのか

研究によると、この3つの問題は私たちが持っている感覚、知覚を変えて脳に影響を及ぼすということです。つまり、仕事や趣味の喜び、期待、情熱、自己信頼というものを変えてしまうのです。また、免疫力を下げてしまう場合もあります。

 

ストレス、鬱、不安感が攻撃する場所は脳の奥の方です。思考が一番発達している部分、つまり将来を想像したり、問題を解決したり、戦略を練ったり、決断を下す機能を司る部分にダメージを与えます。さらには感情を作る機能を司る部分にも影響を与えます。

 

ぼんやりする女性

ストレスについて知るべきこと

ストレスとは皆さんがよく口にする言葉の1つです。いかなる状況や思考もある種のストレスを私たちに感じさせます。ストレスを少しばかり感じることは、むしろ体に良いことだと考えられています。しかしそのストレスが過剰である場合は、良いことではありません。

ストレスをたくさん抱えることで色々な病気にかかりやすくなり、精神的にも肉体的にも影響してきます。

 

例えばストレスは血糖値を下げたり、甲状腺の活動を活発にしたり、心臓病の発作、動脈内の胆汁やコレステロールの分泌を増加させてしまいます。よく起こる症状の中でも腹部や頭に痛みを伴うもの、物を飲み込むことや食べ物を消化するのが難しくなる障害、めまい、不安定な呼吸、不眠症、不整脈、多汗症、睡眠障害、疲労、集中力の欠如、性の問題、悪夢を見るなどが挙げられます。これらの症状の中には、精神的な混乱や恐怖感のようなものが現れるものもあります。

研究では、食事にビタミンB12が不足しているとストレスを抱えやすいという結果が出ています。甲状腺のための薬やニコチン、アルコールのような物質を消費することにも同じことが言えます。

こちらもお読みください『ストレスに打ち勝つ4つの呼吸法

 

考える女性

鬱について知るべきこと

悲しくなったり、不幸だと感じたり、ひどく落ち込んだり。やる気や目標が無いときもあります。大体の人が気落ちを感じることがあると思いますが、続くのは短期間だけです。しかし鬱というものは落ち込んだ精神状態が一定の時間持続し、心の状態を変えます。例えばどんなことにもフラストレーションを感じたり、急に泣きたくなったりします。

鬱は症状の深刻さ(軽い症状、中くらいの症状、重い症状)などで分類されます。

精神科医を受診すると、1回~数回の診察で正しい治療方法を指示してもらえるでしょう。

鬱の症状で一般的なのは、眠れなくなる、ひどい眠気が襲う、食欲の変化、体重の増加、減少、活力の不足、疲労、自己嫌悪、無力感、不安感、短気、集中力の欠如、落ち着きの無さ、引きこもり、絶望感、死や自殺について考えるなど、たくさんの症状が挙げられます。

悲しむ男女

 

自尊心の低下は鬱の症状でとても一般的なものです。他の症状では、普通幸せを感じられることに喜びを感じなくなってしまう(家族と過ごしたり、夜の営みなど)といった症状が挙げられます。また鬱とみなされるのは2週間でこうした症状が5つ以上あるときです。

鬱を誘発するものとして、出産、月経周期(周期の1週間前、生理中には症状は消える)、季節特有のもの(秋から冬にかけての寒い月に症状が出やすく、春夏が来ると症状はなくなる。日光に当たることが大切)が挙げられるでしょう。

 

不安障害について知るべきこと

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター顧問である精神科医、大野裕医師によると、

「急に体調が悪くなるといけないから、電車に乗らない」
「人からなんと言われるかわからないから、職場に行けない」
「家を留守にするのが不安で、外に出られない」
「事故が心配で、電車や飛行機に乗るのが怖い」

このように、行き過ぎた不安を感じるようになった状態を「不安障害」と呼びます。

つまり、感情や考え方が普通の生活や行動に大きな影響を与えてしまうということです。肉体的な外見や末梢機能や原動力の活発化、行動や振る舞いに変化を与えるでしょう。現在、人口の2割以上の人がこの不安障害に悩まされているということです。しかし自覚症状が無い人がほとんどです。

川を見つめる女性

私たちの体は、体内で緊急信号が出されるとアドレナリン機能が神経機能の信号を解放するように仕組まれています。不安障害の症状は主に、落ち着きが無くなったり、心拍が急速に早まったり、呼吸困難、手足の震え、過度の発汗、吐き気、不眠症、筋肉の硬直や低下、不安感、ネガティブ思考、コミュニケーション障害などです。また低血糖症や心臓の不整脈などの原因にもなりますし、パニック状態に変わることもあります。それにより患者は自分の死というものやこれから悩ませるであろう問題について考えます。そうすると血圧が高くなり、心臓の鼓動が早くなり、顔面蒼白、胸の圧迫感、空気嚥下症、体重減少、過度の食欲、無月経、口の中や目がしらの乾燥などが進んでしまうのです。

 


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。