オーツ麦の11の健康効果/(朝食レシピ付)

毎日オートミールを食べると、コレステロールを下げ、消化作用を整えるのに役立つほか、たくさんの食物繊維を摂ることができます。
オーツ麦の11の健康効果/(朝食レシピ付)
Elisa Morales Lupayante

によって書かれ、確認されています。 体育教育学者、栄養士 Elisa Morales Lupayante.

最後の更新: 06 12月, 2022

料理の仕方にかかわらず、タンパク質・不飽和脂肪酸・ビタミンBをたっぷり提供してくれるオーツ麦(燕麦またはカラス麦とも呼ばれます)。含まれているビタミンとミネラルの量は、穀類の中でも群を抜いています。オーツ麦がお肌にいいことはよく知られていますし、腸の働きを調整するのにもたいへん役立ちます。オーツ麦には数多くの効能があり、ほとんど誰でも手に入れることが出来ます。

4000年以上も昔から食されてきたオーツ麦ですが、古代には下級階層の食べ物と考えられていました。現代では、すぐれた健康食品として見直されています。朝ごはんに、おやつに…オーツ麦を積極的に食生活に取り入れることは、健康維持のためにもっとも役立つ習慣のひとつと言えるでしょう。

オーツ麦の食べ方

オーツ麦を食生活に取り入れる方法はいくつもあります。もっとも一般的なのは、オーツフレーク(いわゆるインスタントオートミール)かオーツブラン(燕麦ふすま)。この2つの主なちがいは、オーツ麦の加工工程にあります。

オーツ水でやせる

全粒オーツは、オーツ麦のモミ殻を取りのぞき、軽く焼くなど、なんらかの加工を加えたもの。オーツフレークを作るには、全粒オーツを乾燥させ、ふすまを取りのぞき、細かく切り、最後にスライスします。オーツブランを作るには、全粒オーツをそのままひいて粉にします。

その結果、オーツブランは主にオーツ麦の外側の層からできています。このため、ロールドオーツ(外皮をむいて加熱後、ロールで押しつぶしたオーツ麦)よりもタンパク質が多く、炭水化物が少ないのが特徴です。オーツブランはもっとたくさんの栄養(特に食物繊維)を含んでいるので広く好まれているようですが、だからといってロールドオーツやオーツフレークが健康効果の面でひどく劣っているという証拠はありません。どちらのタイプかに関わらず、オーツ麦を毎日食べると、食物繊維をたっぷり摂り、コレステロールを下げ、消化機能を調整するのに役立ちます。

オーツ麦の健康効果

オーツ麦には、タンパク質・炭水化物・ヘルシーな脂質(不飽和脂肪酸とリノール酸)・ビタミン・ミネラル・微量必須元素が豊富に含まれています。このため、オーツ麦はすぐれたエネルギー源であり、低血糖によって引き起こされる疲労感を防いでくれます。

オーツ麦は、ビタミンB群・ビタミンA・ビタミンE・ビタミンDが豊富です。また、骨粗しょう症を防いでくれるカルシウムなどのミネラルを含みます。酸素を身体中の細胞組織に運ぶのを助ける鉄分もたくさん含まれています。それに加え、インスリンの機能に欠かせない亜鉛を提供してくれます。

オーツ麦のもうひとつの特質は、その25%がタンパク質からできていること。タンパク質含有量は穀類の中でもダントツで、肉・牛乳・卵と同じぐらいのレベルを誇っています。タンパク質は筋肉の生成・維持に欠かせません。ベジタリアンの方には特にウレシイ食品です。

オートミール-500x332

さてオーツブランですが、これには、イソロイシン・ロイシン・リシン・メチオニン・フェニルアラニンといった必須アミノ酸が含まれています。これらは悪玉コレステロール(LDL)を取りのぞくほか、肝臓のレシチン分泌を促してくれるため、体内から重金属を排出するのに役立ちます。つまり、オーツ麦はもっとも完全な穀物であると言えるでしょう。これに比べ、小麦はたったひとつの必須アミノ酸しか含んでいませんし、ライ麦にはひとつも含まれていません。

さらに、オーツ麦には、腸からコレステロールと胆汁酸を吸収してくれる、 ベータグルカンという 成分が含まれています。このため、有害成分が体内に吸収されるのを防ぎ、自然な方法で排出するのを助けてくれます。

オーツ麦はお肌にもいい成分を含んでおり、角質取りや保湿のための、さまざまなクリームや軟膏・石鹸の原料として使われています。また、オーツ麦には皮膚をやわらかくする成分が含まれていますから、オーツ麦をまぜたお風呂につかると、さまざなな病気・感染症・湿疹などの症状を改善するのに役立ちます。さらに、ヘルペスや水ぼうそうの家庭療法としても非常に効果的です。

最後に、オーツ麦、特にオーツブランには食物繊維がたっぷり含まれていますから、腸管の働きを調整し、コレステロールを下げるのに役立ちます。このため、オーツ麦は便秘解消に効果があるだけでなく、胆汁酸の毒性を弱める働きもあります。

オーツ麦がもたらす11の健康効果

オーツ麦は ビタミン・ミネラルが豊富で 数多くの健康効果があるため、穀物の女王として知られています。以下、オーツ麦を食べて体の機能を向上させる、11の方法をご紹介します。

消化器系を整える

消化

オーツ麦には水溶性食物繊維がたくさん含まれているため、食べ物の消化を助け、消化器系を調整してくれます。オーツ麦を食べることで便秘を防ぎ、腸の蠕動運動をうながします。また、コップ1杯の水に、オーツフレークを小さじ1杯まぜて飲むと、胃酸の逆流や胸焼けの症状をやわらげるのに役立ちます。

コレステロールを下げる

全粒穀物を毎日食べることは、血液中の中性脂肪と悪玉コレステロールのレベルを下げるためによい方法です。オーツ麦にはリノール酸と食物繊維が含まれていますから、コレステロールが腸壁から吸収されるのを防いでくれます。同時に、食物繊維は、動脈の壁にたまった脂肪を取りのぞくのにも役立ちます。こうしてオーツ麦は、高血圧・心臓麻痺・その他の心臓病からわたしたちの体を守ってくれるのです。

こちらもご覧ください コレステロール値を下げる自然療法と健康的な生活習慣

血糖値をコントロールする

膵臓と糖尿病-500x344

オートミールは、糖尿病の人にぜひおすすめしたい食品。含まれている水溶性食物繊維が、血糖値を安定させてくれるからです。オートミールを食べると、腸内で砂糖が吸収されにくくなるため、血圧を下げるのにも役立ちます。ここで知っておきたいのは、オーツ麦は他の穀物とちがって、他のタイプの食物繊維よりも、炭水化物を多く提供してくれるということです。

組織細胞を再生する

オーツ麦はタンパク質を豊富に含んでいるため、体内に新しい組織を生成・発達させるのに役立ちます。

がんを予防する

がん1

オーツ麦には、その他の穀物と同様、がんの発生を防ぐのに役立つ植物性化学物質が豊富に含まれています。オーツ麦に含まれる植物エストロゲンとリグナンは、乳がんに関係しているホルモンのリスク減少とつながりがあると考えられています。オーツ麦にふくまれている植物性化学物質が、その他のがん(子宮内膜がん・卵巣がん・前立腺がんなど)の予防に対しどんな効能があるかについては、現在研究が行われている段階です。

腹持ちがいい

朝食にオートミールを食べると、シリアルに牛乳をかけて食べるより腹持ちがいいことは、もう体験されていることでしょう。これは、ゆっくり消化・吸収されるタイプの炭水化物が、 オーツ麦に 含まれているため。このため満足感が持続し、血糖値を安定させる効果があるのです。

カルシウムが豊富

骨

オーツ麦にはカルシウムがたくさん含まれていますから、骨粗しょう症予防に役立ちます。

お肌を守る

オーツフレークには、強力なお肌の浄化作用があります。毛穴につまった汚れや老廃物をすべて吸収してくれるので、お肌がすっきりきれいになります。このため、強い化学薬品を使わずに、お肌のpHバランスを自然に保つのに役立ちます。また、オーツ麦に含まれている油が、お肌の乾燥を防いでくれます。さらにリラックス効果がありますから、寝つきがよくなります。

こちらもご覧ください お肌の悩みとそのお手入れ

減量を助ける

基礎代謝を高めてやせる

毎日の朝食にオートミールを食べると、体重を管理し、少しずつやせるのに役立ちます。オーツフレークにコップ1杯の牛乳をかけるか、ヨーグルトとまぜて食べることもできます。一日のカロリー量を抑えるため、推奨されている毎日の摂取量は大さじ2杯です。

ビタミンB群を含む

ビタミンB1やB2などのビタミンは、脳と神経系統が正しく働くために欠かせません。オーツ麦100グラムには、ビタミンB1の1日の摂取量の40%が含まれています。

甲状腺を守る

甲状腺の病気

オーツ麦を食べると、甲状腺機能低下を防ぐのに役立ちます。これはオーツ麦に、甲状腺が正しく機能するのを助けてくれるミネラルであるヨウ素が含まれているためです。

オーツ麦は、年齢に関わらず、だれでも食べることができます。適量を守っているかぎり、副作用や禁忌があるという記録は見あたりません。ただし、まれにオーツ麦アレルギーがある人もいます。

朝食レシピ

元気に1日をスタートするのに役立つ、おいしくてユニークなオートミールを作るには、次の材料を用意しましょう。

  • オートミール カップ½杯
  • アーモンド 6粒
  • クルミ  2個分
  • ハチミツ 適宜
  • レーズン 小さじ1杯
  • 好みでシナモン・カルダモン・ジンジャー(ぜひお試しください)

作り方

  • オートミールを一晩水につけておきます。朝、水を捨ててから、オートミールを鍋に入れ、あらたに水をカップ½杯加えて、火にかけます。
  • 調理している間に、好みでシナモン・カルダモン・ジンジャーをひとつまみ加えます。
  • まったりしてきたら、水を少々加えて、鍋にくっつかないようにしましょう。
  • ハチミツ少々で甘味をつけ、レーズンと、きざんだアーモンドとクルミを加えたらできあがりです。
  • ココアパウダー・乾燥または新鮮なブルーベリー・バナナのスライス・フルーツのジャムなどを加えても、おいしくいただけます。

引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Fulgoni VL 3rd, Brauchla M, Fleige L, Chu Y. Oatmeal-Containing Breakfast is Associated with Better Diet Quality and Higher Intake of Key Food Groups and Nutrients Compared to Other Breakfasts in Children. Nutrients. 2019;11(5):964. Published 2019 Apr 27. doi:10.3390/nu11050964
  • Klose, C., & Arendt, E. K. (2012). Proteins in Oats; their Synthesis and Changes during Germination: A Review. Critical Reviews in Food Science and Nutrition. https://doi.org/10.1080/10408398.2010.504902
  • Rasane P, Jha A, Sabikhi L, Kumar A, Unnikrishnan VS. Nutritional advantages of oats and opportunities for its processing as value added foods – a review. J Food Sci Technol. 2015;52(2):662–675. doi:10.1007/s13197-013-1072-1
  • Kennedy DO. B Vitamins and the Brain: Mechanisms, Dose and Efficacy–A Review. Nutrients. 2016;8(2):68. Published 2016 Jan 27. doi:10.3390/nu8020068
  • Tai V, Leung W, Grey A, Reid IR, Bolland MJ. Calcium intake and bone mineral density: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2015;351:h4183. Published 2015 Sep 29. doi:10.1136/bmj.h4183
  • Thies, F., Masson, L. F., Boffetta, P., & Kris-Etherton, P. (2014). Oats and bowel disease: A systematic literature review. British Journal of Nutrition. https://doi.org/10.1017/S0007114514002293
  • Thongoun, P., Pavadhgul, P., Bumrungpert, A., Satitvipawee, P., Harjani, Y., & Kurilich, A. (2013). Effect of oat consumption on lipid profiles in hypercholesterolemic adults. Journal of the Medical Association of Thailand = Chotmaihet Thangphaet.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。