脳への血流を良くする5つの方法

脳機能を保つだけでなく、改善させるためには脳へ適切な量の血液が循環していることが重要です。
脳への血流を良くする5つの方法
José Gerardo Rosciano Paganelli

によって書かれ、確認されています。 医者 José Gerardo Rosciano Paganelli.

最後の更新: 29 10月, 2018

もし突然、十分な血液が脳に届かなくなったらどうなるのでしょう?脳が局所的に貧血状態に陥ると、脳の組織が少しずつ死んでいき、細胞間のつながりが失われます。そして、脳卒中のリスクも高まるのです。

脳への血流を増やすことは、実は日常生活の中で簡単にできます。そうすることで脳卒中のような深刻な病気のリスクが減り、さらには記憶や集中力などの脳の機能を改善することもできるのです。

脳への血流を増やす簡単な5つの方法を見てみましょう。

1.有酸素運動

有酸素運動で血流UP

有酸素運動は血管の循環能力を高めるので、脳への血流を増やすのに最も効果的です。体全体に酸素が行き渡り、脳の細胞が活性化され組織間のつながりも改善されます。

以下の簡単な運動のどれか一つを実践するだけでも効果は絶大です。

こちらの記事も合わせてお読みください:ダンスが私たちの体と生活に与える6つの効果

2.健康的な食事

berii

脳に良い食材を知ることはとても重要です。一回の拍動で送り出される血液の約20%は脳に送られます。そのため、糖質、炭水化物、タンパク質などによって得られる高レベルのエネルギーは脳により多くの血液を送ることに役立つのです。

毎日摂取すると良い食材には次のようなものがあります。

  • 玄米、ライ麦、オート麦、大麦などの精製してない全粒穀物
  • サーモン、イワシ、アボカド、オリーブ油、クルミ、カボチャの種などに含まれる脂肪酸
  • クランベリー、イチゴ、柑橘類
  • トマト、ケール、ブロッコリー、アスパラ、ホウレンソウ
  • タマゴ
  • セージから作られる薬湯

3.タバコ、肥満、ストレスにサヨナラ!

himan

タバコ、肥満、ストレスは脳の健康にとって最大の敵であることを忘れてはいけません。タバコを吸うことでニコチンが血流に入り込み、副腎が刺激され過剰なアドレナリンが分泌されます。ストレスもまたアドレナリンの分泌を促進します。

アドレナリンは中枢神経系を刺激し、脈拍の加速と過剰な緊張状態を引き起こします。身体がこの状態の時、脳は興奮状態にあるのに血糖値は低下するという時限爆弾の様な危険な状態が作り出されます。

肥満もまた脳の健康に大きな影響を与えます。良く知られている事実ですが、肥満状態は脳卒中のリスクを高めるのです。それは、血管に溜まった脂肪が血流速度を低下させ、脳に十分な血液が届かなくなるために起こります。肥満にならないように生活に気をつけたりダイエットをしたりすることは確かに大変ですが、脳卒中になってからでは手遅れです。

4.毎日の脳トレ

amimono

あなたの脳機能は最近どうですか?脳への血流を増やすためには、例えば記憶力、好奇心、やる気などの認知機能をしっかりと鍛えることも重要です。なぜなら脳を十分に活用することは、ニューロンとニューロンをつなぐ橋を新しく作ることを意味するからです。少しずつ脳の組織が増加し、脳の老化が防げ、新しく血液が流れる場所も増えるのです。

毎日新しいことを学びましょう。読書をしたり、市民講座に参加したり、インターネット上の豊富な情報も役立ちます。

こちらの記事もどうぞ: 脳を活性化させる脳トレ6選

5.ポジティブ思考

pojitibu

日々のストレス、不安、ネガティブ思考は脳の神経化学的な構成を実際に変えてしまうということが知られています。また3に見たように、副腎が刺激されアドレナリンが過剰に分泌されます。そうなると脳や神経系の血流が不安定になり、それが長いこと続くと、大変な結果になりかねません。

このような状態を改善するためには、ビタミン剤や精神安定剤を摂取するよりもポジティブな思考をすることが効果的です。思考は思った以上に大きく脳の健康に影響します。以下のことを実践してみましょう。

  • ユーモアを大切にする:面白いと思ったことは口に出して他人に伝えましょう。
  • ヨガやリラクゼーションをする:「今、ここ」とのつながりが強化され、本当に大切なことは何かに気付きやすくなります。
  • 社会的なつながりを大切にする:友達や家族との時間を大切にしましょう。家に引きこもってはいけません。

 


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Cipolla MJ. (2009). The Cerebral Circulation. San Rafael (CA): Morgan & Claypool Life Sciences; 2009. Chapter 5, Control of Cerebral Blood Flow. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK53082/
  • Chapman, S. B., Aslan, S., Spence, J. S., DeFina, L. F., Keebler, M. W., Didehbani, N., & Lu, H. (2013). Shorter term aerobic exercise improves brain, cognition, and cardiovascular fitness in aging. Frontiers in Aging Neuroscience5(NOV). https://doi.org/10.3389/fnagi.2013.00075
  • Gómez-Pinilla F. (2008). Brain foods: the effects of nutrients on brain function. Nat Rev Neurosci. 2008;9(7):568–578. doi:10.1038/nrn2421
  • Fantini S, Sassaroli A, Tgavalekos KT, Kornbluth J. (2016). Cerebral blood flow and autoregulation: current measurement techniques and prospects for noninvasive optical methods. Neurophotonics. 2016;3(3):031411. doi:10.1117/1.NPh.3.3.031411
  • Díaz-Carrillo, M. A., & Carrillo-Esper, R. (2015). Flujo sanguíneo cerebral. Revista d Mexicana de Anestesiología.
  • Mellendijk L, Wiesmann M, Kiliaan AJ. (2015). Impact of Nutrition on Cerebral Circulation and Cognition in the Metabolic Syndrome. Nutrients. 2015;7(11):9416–9439. Published 2015 Nov 13. doi:10.3390/nu7115477
  • Toda, N., & Okamura, T. (2016, August 1). Cigarette smoking impairs nitric oxide-mediated cerebral blood flow increase: Implications for Alzheimer’s disease. Journal of Pharmacological Sciences. Japanese Pharmacological Society. https://doi.org/10.1016/j.jphs.2016.07.001
  • Selim, M., Jones, R., Novak, P., Zhao, P., & Novak, V. (2008). The effects of body mass index on cerebral blood flow velocity. Clinical Autonomic Research18(6), 331–338. https://doi.org/10.1007/s10286-008-0490-z
  • Lee, S., Kang, B. M., Shin, M. K., Min, J., Heo, C., Lee, Y., … Suh, M. (2015). Chronic stress decreases cerebrovascular responses during rat hindlimb electrical stimulation. Frontiers in Neuroscience9(DEC). https://doi.org/10.3389/fnins.2015.00462
  • Northey, J. M., Cherbuin, N., Pumpa, K. L., Smee, D. J., & Rattray, B. (2018, February 1). Exercise interventions for cognitive function in adults older than 50: A systematic review with meta-Analysis. British Journal of Sports Medicine. BMJ Publishing Group. https://doi.org/10.1136/bjsports-2016-096587
  • Shin LM, Liberzon I. (2010). The neurocircuitry of fear, stress, and anxiety disorders. Neuropsychopharmacology. 2010;35(1):169–191. doi:10.1038/npp.2009.83

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。