カップルの最大の敵:マイクロアグレッションとは?

マイクロアグレッションと呼ばれる「他者への些細な攻撃」は、たとえそれが甘い言葉と一緒に恋人に向けて囁かれた言葉であったとしても、相手の自尊心や自信を喪失させる危険な行動です。本記事で詳しく見ていきましょう。
カップルの最大の敵:マイクロアグレッションとは?

最後の更新: 03 12月, 2018

マイクロアグレッションとは目に見えない形で行われる心理的虐待です。

冗談や冷やかしのような言葉を使いながら、しつこく相手をバカにして次第に相手の自尊心を喪失させる虐待で、毎日しつこく繰り返される冷たい行動です。

この心理的虐待は、相手に怪我など目に見える身体的な傷害を負わせることがないため、他人の目に気づかれないだけではなく、相手を虐待している側、そして虐待されている側のどちらにも、虐待が起こっている自覚がないことがほとんどです。マイクロアグレッションが広く認知されていないのはこのためです。

本記事ではいくつかの例とともにその特徴を紹介します。

「不器用なあなたを愛してる。あなたが何かを壊すたびに私は幸せな気持ちになる。」
「あなたが話すとダメにになりそうだから、私が代わりに話します。」
「やめて!私に代わりにやらせて!あなたは不注意だから絶対に壊すもの!」

というような言葉を口にする人は男女とも存在します。

愛情がある言葉のように聞こえますが、その中には相手をバカにして、相手を自分の手の中で支配し、相手には自分をコントロールさせないようにしている意図が感じられます。

このような言葉を耳にしたときに、その言葉の真の意味を理解することが大切です。

 

マイクロアグレッションの特徴

ドラゴン
恋人関係や夫婦関係は、尊敬、忍耐、共感、親密さ、そして相互理解の上に成り立っています。これらの側面のうち一つでも欠けると、残りの要素も弱くなります。

たとえば、コミュニケーション不足によって、共感できないことが増え、共感できないことが増えると、相互理解の維持が不可能になります。

幸せで健全な関係は、調和のとれた多彩な色でしっかりと織られた布のようなものです

それぞれの異なる色合いをお互いに尊重しながらバランスを保つ織り物のように、二人の関係の調和を保つためにも、これらの要素とその調和は必要です。

マイクロアグレッションとは、この調和のとれた美しい色合いの布を毎日引っ張っているようなものです。自分では気付かないうちに布に穴があくように、調和が崩れ、幸せがこぼれ落ちていきます。

ここからはマイクロアグレッションと定義づけられる行動とその特徴を説明します。

こちらの記事もご覧ください:嘘をつく家族や友人への対処法

 

無配慮と過小評価

無配慮と過小評価は相手への興味がないことを示すわかりやすい行動です。毎日の生活でこれらが継続的に行われる場合は、マイクロアグレッションの一つだと考えることができます。

  • 相手が好きなものをバカにする
  • 二人の関係を維持するための思いやりが欠如している
  • 相手が好きなことをする時間がない、そして決してその時間を作らない
  • 第三者の前で相手のマネをしてバカにする(「こいつは一日中読書をして毎日こうやって無駄に暮らしてるんだ」など)

相手を否定する

カップルの絵

相手を否定することで、相手に「自分は何の価値もない馬鹿な人間だ」と思わせるこの行動は、もっとも良くあるマイクロアグレッション行動の一つです。

最初は相手を甘やかしているようにも聞こえるのがこの行動の特徴で、他人や言われている本人も気づかきません。言い換えると、純粋な気持ちから出た相手に愛情を示す言葉のようにも聞こえる心理的虐待です。

  • 「私の方があなたより上手にできるから私がやる。そうすればあなたの手間も省けるでしょう?」などと相手の仕事を取り上げる
  • 「彼女は料理が下手なんですよ。何でもすぐ壊すし、この前もね、パソコンがひどいことになったんですよ」などと他人の前で相手の失敗や欠点について話す

これらは相手のアイデンティティー自尊心を失わせる害のある言葉です。

 

相手への不信感

不信感

マイクロアグレッションと呼ばれるこれらの行動を相手から受け続けていると、自分の内面が徐々に変化していることに気づくでしょう。

自尊心が破壊され、相手への信頼を失います。

  • 自分の発言や行動を批判されたりバカにされ続けると、自分から何かをしようという自発的な気持ちがなくなる
  • 相手の口から出るのは皮肉やイヤミといった傷つけるような言葉ばかりだと、相手とのコミュニケーションをとることをやめる

虐待をする人は、声を荒げ、暴力をふるい、束縛する人だという固定概念があるため、マイクロアグレッションの被害を受けても、自分が虐待を受けているという事実に気付かず、対応が遅れることが多いといわれています。

マイクロアグレションは、ゆっくりとした心理的な攻撃であるため、気づきにくい傾向にありますが、これは間違いなく虐待です。

こちらの記事もご覧ください:すぐには気づかない心理的虐待の5つの兆候

心理的虐待をする人の特徴をご紹介します:

  • 相手を倒そうと考える
  • 相手を否定することで自分がより強い力を得ようとする
  • 相手が「自分らしく」いられないように仕向け、相手が幸せを感じることや好きなことをさせず自分らしさを奪う
  • 相手の長所、強み、成功などは興味はない
  • マイクロアグレッションを使って相手を攻撃する人は、相手がその力を失えばいいと考える

マイクロアグレッションの見分け方をしっかりと認識し、このような相手と直面したときには勇気を持って強い態度で対応してください。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Bourdieu, P., y Passeron, J. C. (2001). “Fundamentos de una teoría de la violencia simbólica”. En La reproducción. Elementos para una teoría del sistema de enseñanza. Madrid: Popular, pp. 15-85.
  • Hirigoyen, M. F. (1999). El acoso moral: el maltrato psicológico en la vida cotidiana. Buenos Aires: Paidós.
  • Velazquez, S. (1996). “Extraños en la noche”. En Burin, M., y Dio Bleichmar, E. Género, psicoanálisis, subjetividad. Buenos Aires: Paidós.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。